金太郎飴であるのはわかっている、相変わらずなのです。変わっちゃいない。が、20年目にしてこの潔さ。 ギター音の人っぽさ、こりゃあ機械じゃできねぇんだよデータとかじゃ出せないんよ。別に上手くないんだろうけど1音に込めた熱量の違いに改めてアタマが下がる。 楽器の鳴りが唯一無二なのは前からそうだったけど、今回はその辺ちょっと尋常でない。 例えば"白昼の行方不明者"のギターソロ、例えば"サンセットマン"の曲半ばの閃光という表現以外しようのないフィードバックノイズ。 そして"夜がまた来る"での掻き消えそうな吉野の唄。 なんだこれ、人間丸出しでしょっぱいなぁ。 かっこいいとかじゃない。 素敵なのだ。 決してハイブリッドなんかではない、これは単なる『素敵』なんだ。 『満身創痍でばかやろう』 なんてきれいなんだ。

地球の裏から風が吹く

地球の裏から風が吹く

下手に飾らないで自然体である、なんていう平凡なことしか言えないけれど、この「2007年」ていう現在にそれがいかに難しいことかを考えると、やはり天然は最強なのかなぁと妬みを込めた賞賛を送ってしまう。 それにしても今回の詞の冴えっぷりは気持ちが良い。 『消えるからいいんだ、口笛も、面影も』 『小さな橋の上で、俺は風景を拒否する』 まいった。